2018年 9月 25日 (Tue) 陰謀論との科学的な付き合い方

表現規制にユダヤ人が関わっているか? を追っていたら、なんかユダヤ人の陰謀論に入り込んでしまった昨今。証拠があれば関係があると言えるし、矛盾があれば関係無いと言えるだろうと考えていたけど、明確な証拠も矛盾も見つからないまま、間接的に関係しそうな情報だけが積み上がり、時間ばかりを浪費しているような気がする。という訳で、証拠も矛盾も無い情報と科学的に向き合うにはどうしたらよいか? という事を考えてみる事にした。

おいら自身は科学者とか研究者という職業では無いのだけれど、過去にNICT(日本の標準時とか管理してる情報通信の研究所の多分トップ)と共同研究の仕事をした経験がある。博士号をいくつも持っているような人が、どうやって因果関係というものを見つけて行くのか? 科学的論文を書いて行くのか? という事を見ているので、その考え方を陰謀論という不確かな情報に応用する事は出来ないか? という発想。宇宙にはほぼ無限の可能性があるけれど、その中から原因と結果の関係を明らかにするのが科学なので。

どんな測定器にも誤差というものがあり、誤差によって偶然良い結果が現れたが、もう一度実験すると同じ結果が得られない、という事がある。だから実験は1回だけでなく複数回行い、間違いなく同じ結果が得られる事を確認する。では何回実験すれば『間違いなく』と言えるのか? 学校で行う実験なら繰り返してもそれほどのコストにはならないが、『何が原因で死亡事故が発生したか』『何の影響で子供の成長が阻害されるか』などのような場合、繰り返し実験が行えない事もある。実験によって回復不能なダメージが発生する可能性があるから。『アクション映画を見て興奮した。何故興奮するのか?』なんて場合は一度しか実験できない。二度目はもう展開を知っているのだ。

科学者が原因と結果の関係を明らかにしたい時、統計学を用いて検定というものを行う。高校くらいで習うと思うけど、検定を行うと95%の確率で誤差ではない、などのような結果を得る事ができる。だから、原因となると思われる物がある状態と無い状態のデータを実験や調査で集め、検定を行い、原因と思われる物の影響が95%の確率で存在する、という結果を持って科学的論文を書いている。

では実験のコストが高く、検定を行える程の情報を集めることが困難な場合科学者達はどうするか? アバウトなやり方だけど、低コストで集めることができるデータから、『これは原因になりそうだ、影響があるだろう』という関係を探すのだ。彼らが言うには、人の感覚でわかるほどの変化があれば、だいたい95%の有意性(誤差ではない)が出るもの、なのだそうだ。だからコストが高い本実験の前に、コストが低い方法で調査を行ったり、『影響がありそう』という確度を高めるために予備実験を行い、本実験が空振りにならないようにする。本実験の前に、その実験を行う意味があるのかを調べるのだ。

この『感覚的に影響があるとわかれば、まぁ95%誤差ではないと言えそう』ということを陰謀論の検証に応用したい、と言うのが今回の話。では何がどうなったら、『感覚的に影響がありそう』と言えるのか?

最低2つの観測データ(多いほど良い)から、共通する法則性を見つけ出し仮説を立てる。上の映画の例であれば、きちんとした測定器を使う実験の前に、「興奮したらドキドキするよね」って事でスポーツ用品店で手に入る心拍計を着けて映像を見るなどすると、アクション映画など興奮する映像を見たときに心拍数が上がり、逆に花畑などリラックスできる映像を見たときに心拍数が下がる事がわかる。これで興奮と心拍数に影響がありそうだと仮説を立てる。

次に仮説を検証する。同じ条件で同じ事が発生するか、最低1つ(多いほど良い)の観測データを得る。これで同じ結果が出れば(再現性があれば)、仮説は「感覚的に影響があると言えそう」なものになる。だから、異なる3つの観測データが互いに矛盾が無く、同じ共通する法則性を持つのであれば、それはまぁ95%くらい信じても良いのでは? と言えそうだ。

だから陰謀論も、出所が違う3つのデータが互いに矛盾が無く、論理的に正しそうな共通する法則性を持っていれば、それはまぁ信用できると言えるだろう。

問題は3つも出所が違い、それでいて一つ一つが信用出来そうな情報は陰謀論の場合集まらないという所。ソビエトのスパイが何をしていたか? という事は、2つのデータがある。ヴェノナというソビエトの暗号を解読したとされる文書、ミトロヒンというKGBの幹部がソビエト崩壊時にKGBから盗み出したとされるミトロヒン文書。でも3つ目は知られていない。

3つ集まらないデータは何%くらい信じてよいのだろう? これは逆算すると、65%くらいになりそうだ。仮に1つのデータしか集まらない場合を65%信じられるとすると、信じられない確率は35%となる。2つ矛盾が無いデータがあったとすると、信じられない確率は35%×35%=12.25%となり、87.75%信じられるとなる。同じように3つの矛盾のないデータが集まると、35%×35%×35%=4.29%となる。信じられる率は95.71%。大体だけど、このくらいとして扱うのが良さそう。もちろんただ1つのデータであっても、元となる情報に現実との矛盾が無く、論理的に飛躍や無理がない事が前提。

この問題点は3つのデータが信用できるかどうか。3つのデータが信用できるには、それぞれ3つのデータが必要で・・・とやっていてはいつまでも終わらないこと。
数学や科学は明確に正しいかどうかがわかっていたりするので、そこまで到達した時点でこの追跡は終了する。陰謀論の場合はというと、これは3種類の終了の仕方がある。
1つは1次資料にぶつかる場合で、「ロックフェラーはこの様に言っている。根拠は彼の回顧録だ」などの場合。もしくは公開されている公文書など。この場合は疑う余地がない。もっとも回顧録の場合思い込みという可能性があるため、○○という人物は××という意図を持っていた、という事にしか1次資料としは使えないけれど。
2つ目は公知の歴史的事実にぶつかる場合。GHQは日本に洗脳教育を行ったなど。必ずしも公知の歴史的事実が正しいと保証されている訳では無いけれど、学術的に覆されるまでは正しいし、学術的に覆すのは簡単ではない。
3つ目は互いに互いを説明する組み合わせが生まれる場合。文書であれば説明する内容が1つしかないという事は無くて、大体他の事柄についても述べる。信憑性を出すには他の事柄と矛盾しない事を示す必要があるからだ。妄想の類ではなく史実であるのなら、異なる国の文献を当たっていても同様の出来事を説明するものにぶつかる。史実でないなら、矛盾する組み合わせにぶつかるだろう。

という訳で、十分にデータがあるなら厳密にも出来そうだけど、十分にデータが手に入らなくても入手したデータの信憑性×0.65をいくつか組み合わせて、合計で0.95を超えれば、まぁ事実だろうと考えていいんじゃないかな。十分にデータがある場合もある訳で、それらと無矛盾になる様に信憑性を積み上げていければ、事実に近づくだろうね。

陰謀論ならどこかで矛盾するだろうって軽く考えてたけど、矛盾にぶつからないからゴールがわからなくなってたけど、一応自分なりに納得できるゴールが作れそうになってきた。


本日の落書き
これ、できちゃったって事だよね?
妊娠検査薬を持ってる女の子が描きたかったので描いてみたけど、こういう構図だと陽性反応が全然見えないですね。
ゆったりした服を着て普通に立ってれば目立たないくらいの微ボテにしたかったんだけど、なかなかにお腹を小さく描くのはおいらの画力では難しいのです。


おまけのVカツ
巷で話題のVカツなる3Dキャラを作れるフリーソフト触ってみた結果、ボテ腹幼女作れることが分かった、という例。
ここら辺がお腹最大。カスタムメイドとかよりは大きくできるっぽさ。向こうはModで限界突破できるッポイけど。
何でもできるってわけじゃないけど、雑に作ってもかわいくなるから、絵師以外の人も使ってみるといいかも。
スペックに書かれているところまでパワーなくてもキャラエディットだけなら動く。

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